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「スーパーチーム」の時代が「がらくた」を生むことになり、それが問題を引き起こす可能性があると警告
昨季のNBAではゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)がケビン・デュラント(Kevin Durant)を獲得し、ステフェン・カリー(Stephen Curry)との強力タッグを中心とした強豪チームを形成して、ここ3シーズンで2度のファイナル制覇を飾った。
これに対抗すべく、現在は一部のチームが大物選手を買い集めてウォリアーズ王朝の幕引きを目指しており、この数か月間ではクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)、オクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)がスター選手をロスターに加えている。
ジョーダン氏はこうした状況を受け、「優勝争いの観点からすると、リーグ全体の側面としては痛い目をみることになるだろう。強豪が1、2チームに限定されれば、あとの28チームは『がらくた』になるか、ビジネス面でも厳しい生存競争に置かれることになる」と述べた。
現在54歳のジョーダン氏はまた、自分の忍耐力では指導者になれないと語っており、その最大の問題は(SNSなどが)選手の集中力を妨げている今の時代にあるとして、「私がプレーしていた時代のように、試合に集中することを要求するのは、ある意味では不公平なことだと思う。集中できないというのであれば、私の気持ちは言うまでもない」と話した。
タイガーもジャックも偉大
また、男子ゴルフでメジャー通算14勝を誇る友人のタイガー・ウッズ(Tiger Woods)についても、ジョーダン氏は自分なら「このツイッター(Twitter)時代に生き残ることは」できなかったかもしれないと語った。
メジャー勝利数ではジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)氏の18回に次ぐ数字を記録しているウッズが、複数回にわたる腰の手術を受けて以降苦戦を強いられていることについても、ソーシャルメディアの時代が復帰をさらに難しくしているとして、「思い通りに自分のプライバシーが保てないこのツイッター時代に、自分なら生き残っていられたかどうか分からない」と述べた。
ウッズとニクラス氏のどちらが史上最高の選手かという議論についても、ジョーダン氏は両者を比較するつもりはないとして、「その議論については、ネタや大げさな話題ばかりが先行している。ジャックとタイガーは直接プレーしたことはないし、同じクラブを使ってプレーしたことはないんだ」と強調した。
「私もウィルト・チェンバレン(Wilt Chamberlain)氏や、ジェリー・ウェスト(Jerry West)氏とプレーしたことはない。それでどちらが偉大かなんて話すことは少し不公平だ」
「それぞれが、どれほどそのスポーツにインパクトを与えたり、変化や進化を及ぼしたりしたと思うのか? 確かにジャックは、彼の時代に誰よりも多くの勝利を挙げた。タイガーはゴルフを進化させ、さまざまな境界線を取り払った。白人だけのスポーツだったものが、黒人やアフリカ系米国人をはじめ、あらゆるマイノリティーがプレーするようになった」
「そしてタイガーがプレーすることによって、ゴルフは多くの経済的効果を生み出すスポーツになり、経済的側面からも成長を遂げた。その貢献度から言えば、今や彼が最も偉大な選手だろう? 彼がジャックより劣っているというのは、私の考えでは不公平だ」
ジョーダン氏はニクラス氏対ウッズの比較論争をNBAに置き換え、自身の優勝回数を元ボストン・セルティックス(Boston Celtics)の名選手ビル・ラッセル(Bill Russell)氏の通算11回と比べた。
「そうだね、メジャー勝利数ではジャックが18回でタイガーが14回だ。そうやって世間は物事を評価する。(NBAの)優勝回数では私が6回で、ビル・ラッセル氏は11回だ。それでビル・ラッセル氏が、私よりも優れているとか、あるいは私が彼よりも勝っているということになるのか? 違うね。なぜなら、別の時代の人間を比較してどちらが優れているか決めようとしても、それは平行線をたどるだけであり、不公平な選択肢にすぎないからだ」
ジョーダン氏はまた、北アイルランドのスター選手、ロリー・マキロイ(Rory McIlroy)についても称賛したが、一緒にプレーしたことは一度もなく、「彼はとても才能に恵まれている。一緒にプレーしたことはないが、ゴルフ場で会って話したことはある。彼の大ファンなんだ。小柄な選手があれほどのパワーを発揮するなんて、本当に素晴らしい」と語った。
【翻訳編集】AFPBB News
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